2025年9月10日、化粧品メーカーのマンダム(4917)は「2026年3月期の配当予想修正(無配)」および「株主優待制度廃止」を発表しました。
同時に公表されたMBO(経営陣による自社買収)に関する意見表明を受けた対応で、同社株式は今後非公開化・上場廃止となる予定です。
配当予想の修正 ― 中間・期末ともに「無配」に
マンダムは2025年8月7日に「2026年3月期は年間配当20円」と予想していましたが、今回の修正により 中間配当・期末配当ともに0円 となります。
区分 | 前回予想(8月7日) | 今回修正 | 前期実績(2025年3月期) |
中間配当 | 20円 | 0円 | 20円 |
期末配当 | 20円 | 0円 | 20円 |
年間合計 | 40円 | 0円 | 40円 |
理由は、公開買付者(カロンホールディングス)が提示する買付価格が「無配」を前提に算定されているためです。
株主優待制度の廃止
マンダムはこれまで毎年3月末時点で株主に対し「自社商品詰め合わせ」の株主優待を実施してきました。
しかし今回の決議により、2025年3月末を基準日とした株主優待を最後に廃止されます。
つまり、今後は優待の再開はありません。
基準日 | 対象株主 | 優待内容 | 贈呈時期 | 備考 |
2024年3月31日 | 100株以上保有の株主 | 自社商品詰め合わせ | 6月上旬〜中旬に発送 | 保有期間条件なし |
2025年3月31日 | 100株以上を**継続1年以上**保有する株主 | 自社商品詰め合わせ | 6月上旬〜中旬に発送 | 制度内容を一部変更(1年以上保有が条件に追加) |
背景 ― MBO(経営陣による自社買収)と上場廃止予定
今回の配当ゼロ・優待廃止は、MBOを前提とした上場廃止に伴う措置です。
公開買付者である「カロンホールディングス株式会社」は、マンダム株の公開買付けを準備しており、必要な競争法上のクリアランス取得後(日本・ベトナムなど)に2025年9月下旬をめどに開始予定としています。
ただし、特にベトナムにおける審査手続きに時間がかかる可能性があり、具体的なスケジュールは流動的です。
投資家への影響
配当収入 → 2026年3月期はゼロ
株主優待 → 2025年3月末で終了
株式保有方針 → MBOにより公開買付けが成立すれば上場廃止へ
今後、公開買付価格やスケジュールの詳細は別途公表される予定です。
まとめ
・マンダム(4917)は2026年3月期の配当を無配に修正
・株主優待制度も2025年3月末を最後に廃止
・背景にはMBOによる非公開化・上場廃止の予定あり
長年「株主優待銘柄」として人気を集めてきたマンダムですが、今後は投資家にとってインカムゲイン(配当・優待)の魅力はなくなる形となります。
MBOによる公開買付け条件や上場廃止までの流れに注目が集まります。